「困ったなおった新聞36号(2020年2月発行)より」

妙見桜並木通り
㈱さくら 川口です。

川口さん

アドバイザー 二級建築士
川口 盛司

 

吹抜けのあるお家によくあるお悩み。
明るくて開放感のあるおしゃれな吹抜けは、みなさん仰るのが、

 

「エアコンが効きにくい!」

僕が担当のKさま邸には1階のリビングに吹抜けがありました。
今回の困った相談は大工さんと一緒に考えてやって、
メッチャ喜んでもらえた現場のお話です。

 

Kさまとは3年前にホームページからお問合せをいただき、
全面リフォームを僕が担当でさせてもらってからのお付合いになります。

ご主人の転勤でご家族みんなで九州におられ、
地元の交野にまた戻る事になり、
その引越し前に持ち家を全面リフォームされました。

 

その時は、お子さまとも親しくさせていただき、
一緒にカタログを見ながら、子ども部屋のクロスを選んで
「あ。これ〇〇ちゃんちの壁と一緒や!」と嬉しそうで、
同じ柄で仕上げました。

 

ピカピカになってまだ一年で、
一昨年の地震と台風。お部屋のクロス壁にもヒビが入ってしまいました。

 

その補修工事に大工の坂本さんと一緒に行かせてもらった時に、
奥さまから相談がありました。

「転勤先ではマンション暮らしだったこともあって、
一軒家はただでさえ冷えるのに、ここの吹抜け、
やっぱり寒くって!塞いでしまいたいと思うぐらい。
何とかならへんかな?」

 

リビングから見上げたKさま邸の吹抜け
吹き抜け

 

吹抜け、おしゃれなんですけど、暖かい空気は上へと抜けるんです。

 

せっかくの吹抜けをベタッと全面、
天井の様にふさぐのはもったいないので、
光を遮断することなく、しかもご主人さんでも簡単に取り外せる構造で…
おしゃれなリビングのデザインをあまり壊さないような…

 

大工の坂本さん、
「任してください!いいのん作るから」
と自信満々!

坂本さん
大工職人
坂本さん

 

さっそく帰ってから蓋の制作。

 

写真のように、軽くて透明なポリカーボネートの板を3枚、
しかも間に空気の層が入ってる中空ポリカという
断熱効果大の素材に木枠をつけることになりました。

 

二階の子ども部屋から一階の リビングを覗ける吹抜けです。
ポリカーボ天井

 

蓋はお風呂の蓋のように下から乗せて並べるだけで、
ご主人でも簡単にできます。

 

3枚に分かれていることで、一箇所に集めて置いておくこともできるし、
1枚だけ開けることもできる。

 

エアコンを使わない季節は全部取り外して、
上からの自然光や開放感を楽しんでもらえます。

 

冷暖房の要る時期はまた蓋をすることで、
熱効率を優先した快適生活を送っていただけるし。
仮に一年中、蓋していたとしても、インテリアに違和感ない仕上がり。

 

後日、奥さまにお会いして、以前との比較を聞いてみたら

 

「エアコンの効き具合がぜ~んぜん違う!
前はなんぼ設定温度を上げても、冷えて暖まらへんかったよ♪」

 

と、とても嬉しそうでした。

完成!お客様と
撮影にもご協力いただき、ありがとうございました!

 

坂本さんが作ってきた、ピッタりあった蓋を取り付けるだけの工事なので、
一日もかかりません。

 

あちこちの現場で人気のある坂本さんは、自分から
「これ、普通じゃ、なかなか出来ないんですよね~」と言って、
透かさずまた自分で「でもね。安心してください!ミープロなんで!」と、
もう「ミープロ」が言いたいから、ひとりで連打して笑いをとる、
楽しい大工さんなんです。

 

僕はなるべく前の工事担当と同じ職人さんに入って欲しいので、
今回もKさまにご了承の上、現場の空き具合を待ってさせていただきました。

 



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