車椅子での介護生活をシミュレーションした『終の住処』
リフォーム内容/施工情報
価格 | 戸建てリノベーション 約2000万円 |
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工期 | 約5か月 |
現場名 | 大阪府交野市M様 |
リフォーム内容 |
ビフォアアフター
間取り図
AFTER [施工後]
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お客様名称 大阪府交野市M様 | ||
リノベーションの施工事例 交野市のリフォーム施工事例 |
戸建てリノベーション 約2000万円 | 工期 約5か月 |
”終の棲家”づくりに寄り添いたい
連棟のテラスハウスを、”終の棲家”にとお考えだったM様ご夫婦。近い将来に向けて、リノベーションをとさくらにご相談くださいました。
「もうどっちかが近いうちに車椅子のお世話になるかもやからね~」
と言うご夫婦の会話から、車いすでの生活を徹底的にシュミレーションしたリノベーションを行うことになりました。
「1階で車椅子で移動し暮らせるようにしたい」というご要望に絶対に寄り添いたい!と強く思い、また、実際に車椅子生活になった時にやり直さなくてよいように、課題をクリアするためのアイデア出しからプラン固めまでの打合せにしっかり時間をとりました。
車椅子の設定は自走ではなく後ろからヘルパーさんに押してもらえるような動線、サイズで計画。
実際に将来のM様邸での車いす生活が、どんな風になるのかご紹介します!
1階
外回り
まずは外回りから、
<外回り施工前>
外の土間から玄関の入り口の高低差が50㎝以上もあり、狭くて足元も悪い玄関アプローチでした。
駐車スペースがないので、玄関正面に一時的に来客車を入れこめるスペースが欲しいとのご要望もありました。
<外回り施工後>
道路側のデッドスペースを解体して、1台分の駐車スペースを確保。車からお家へ入る動線もスムーズです。
階段は、約2段で上がりきるような危険な段差の玄関アプローチから、4段に割振った上がり切りにして、踏み面にも余裕ある緩い外階段を設置。
将来的に、介護ヘルパーさんが車いすを無理なく押せる軌道を考え、開口や勾配計算をしたうえでスロープのスペースをあえて残し、玄関ドアを引戸にしました。あとで付け足し工事が安易にできる設計です。
オープンでスッキリとした外構に様変わり!
スロープ施工時に、インターホンやポストの移動もすぐにできるように、電気配線は仕込み済みです。
玄関
<玄関施工前後>
車いすでの出入りや介護ヘルパーさんの作業のしやすさを考え、横幅をしっかりとりました。
M様のお宅は築53年のRC造。デザイン面で少しでも天井高を確保するため、家の顔である玄関からコンクリート打放しの天井に挑戦。奥様のさっぱりした性格やパワフルなイメージに合った「潔さ」を感じるエントランスになりました。実用性だけでなく、個性もしっかり発揮できたおしゃれな玄関でお客様をお出迎えできますね。
洗面所
<洗面所施工後>
洗面台は、来客があった際を考え、玄関からLDKに入る前に手洗いができるようにと廊下に設置。ヘルパーさんにも作業していただきやすい動線です。この先車椅子生活になったときに、車いすで足を入れ込める造作洗面に簡単な工事で交換できるよう配慮されています。
LDK
さて、いよいよ生活の中心、LDKへ!
<ダイニングキッチン施工前>
リノベーション前のダイニング・キッチンは7帖の限られたスペースでした。
「広々したLDKが欲しい」、そしてご主人様には「1階に畳空間がどうしても欲しい」というご希望があり、それを叶えるべくリビングを増築することに。
<増築場所施工前>
池もあり、かなりお手入れが必要な裏庭がありました。そこに、確認申請不要の10㎡以内で増築することに。
お庭は残して、将来奥様のガーデニングスペースとしてに活用されます。
<増築場所施工後>
既存の窓の開口部分をダイニングとの繋ぎ目、2階のベランダは解体せずそのまま使えるように残し、その下に増築部分の屋根を差し込みました。勾配をつけデザイン性もあがりました。
大きなサッシの窓を設置し、明るく広々したリビングの誕生です。家の裏側になるため、採光は抜群!畳を入れ込み、ご主人ご希望の和室空間も実現しました。バリアフリーなので車いす生活でも移動の支障になりません。
コンクリート造特有の底冷えで寒くなる冬に備え、畳の下には床暖房を仕込みました。窓は、補助金を利用して断熱タイプ。季節を問わず快適にここで過ごしていただけますね。
<ランドリースペースに折戸全開の クローゼット>
お買い物や重い荷物の仮置きや、冬場のコートやアウターのハンガー掛けなど豊富な使い勝手の折り戸全開のクローゼットを提案、設置。将来、1階での生活がメインとなったときには、クローゼットとして活用いただけます。
キッチン
<キッチン施工後>
「壁に向かって料理をするキッチンはいや。料理をしながらご主人の様子を見守っていたい。」
奥様の愛あるご要望を形にすべく、対面キッチンにしました。
車いすでも動きやすいように、キッチンと背後のカップボードとの間を広く取ってあります。もうすぐ金婚式を迎えられるご夫婦の憩いの場となっていることと思います^^
キッチンには、こんな小さな工夫も。
<キッチン壁のニッチにスイッチ集結>
照明や給湯器、インターホンなどの操作スイッチは、肩が触れるだけでも誤作動することもあります。コンパクトなキッチンの中に、わずか4cmの奥行きを見逃さず、このニッチに全てをまとめて入れ込みました。実際に使用されてとてもご好評いただいています。
脱衣・洗濯スペース
<脱衣・洗濯スペース施工後>
こちらは、お風呂横の脱衣場、洗濯スペースに向かう空間です。
M様のお家は、デザイン性を加味しつつ天井高をとるため、基本コンクリート打放し。しかしながら、このスペースだけは天井を作りました。
これは、のちに介護ヘルパーさんにお風呂に入れてもらう際、脱衣室は広い方がいいだろうと拡張できるようにするため。LDKからえ見えないように、ここにロールスクリーンを取付けることで、LDKから見えることなく脱衣場として利用することが可能になります。
ここだけ天井を作りましたが、洗濯物の室内干しもできる充分な広さも確保。将来、2階での洗濯物干しが困難になっても、1階のこのスペースで部屋干しできるようにしています。壁に竿掛けを取り付け可能なように天井内に下地を作っており、あちこちの壁に後から足せるように壁芯の補強を入れています。
お風呂
<お風呂施工後>
お風呂入り口は間口を広げ、お風呂そのものも大き目のサイズのものを採用。介護ヘルパーさんに頼る入浴を想定し、作業していただきやすい広さを確保しました。選んでいただいたのは、「TOTOひろがるWY」です。
1階トイレ
<1階トイレ施工後>
1階のトイレも、車椅子を想定し開口も広く取りゆったりした間取りに。
今は遊びにやって来る息子さんご夫婦が気に入ってくれたらと、クロスやペンダントライトで楽しいトイレ空間を演出されています。
2階
「まだ健脚なうちは自分達の足腰のためにも階段昇降の暮らしで鍛えておきたい」とのM様のお考えもあり、お二人の主寝室とウォークインクローゼットは2階に設けました。
寝室
<2階寝室施工後>
寝室を、和室から明るい洋室に変更しました。ウォークインクローゼットも2階に設けているので、身支度はすべて2階で完結します。
2階トイレ
<2階トイレ施工後>
夜中も安心してお休みいただくために、2階にもトイレを新設しました。
2階客間
<2階客間施工後>
2階にはもう一部屋、客間として洋室を設けています。
慕っておられた亡実姉様はキメコミアートの先生をされていたそうで、その遺作を飾られています。すっきりとした白い壁のお部屋で、アートも映えますね。
ご子息さんご家族が完成を見に来てくれたときに、インテリア好きの息子さんの嫁さんが「お母さん、ここ素敵!!オシャレやね!!」と、あちこち見てすごく喜んでくれたそうです。また、カーテン屋さんも取付け工事のときに、「このおうち、かっこいいですね!」と言ってくれてすごく嬉しかったとおしゃってくださいました。「自慢できる我が家なんです。」と笑顔でお話くださるM様。M様の”終の棲家”つくりに寄り添うことができ、さくらとしても、とても嬉しいです。
担当者の声
- さくら3店舗目のリノベ―ショん専門店「さくリノ」のオープンの日。前夜にOPENの旗をたてたばかりで、新規様向けには告知しておらずお得意様イベントの準備中だった時、M様はふら~りとのお店に入ってこられました。ゆくゆくM様の担当プランナーになる私がお話をお聞きしたところ「ウチのトイレをやり替えたいんやけど、できる?オープンってチラシ入ってたから来てみてん!」と最初から気さくでパワフルな奥様。「もちろんできます!M様がこの新店のお客さん第一号です!」M様との出会いはそんな始まりでした。「実は空き家のリノベーションとか考え中やねんけど、不動産とかはやれんの?まあでも急に話し過ぎてしまったから、今日は様子を見に来ただけやし一回帰るわ!」そう言って帰られたM様。数日後、改めてご夫婦おそろいでご来店くださいました。そこからじっくりご家族のことや将来のお話しも聴かせていただきました。当時、団地で暮らしていたM様。ご主人様は80代ですが、できる限り現役で仕事を続けたいというご意思があり、徒歩圏内で通勤できる空き家を探していて、ちょうど見つかったとのこと。M様ご夫婦はリノベーション後の家でゆっくり余生を暮らしたいとご希望でした。”終の棲家”として将来のビジョンもしっかりお持ちで、M様のお家づくりに寄り添いたいと強く思い、たくさん調べ納得いくまでプランを練りました。そのプランを気に入って下さり、ありがたいことに、他社との相見積もりもなくさくらに任せていただけました。当初はご両親のことを気遣って、ご心配されての参加だった息子様も、将来の要介護の生活を想定した動線、広くなったLDK、きつい段差が解消された外構のプランニングに安心していただけたようで、「次回もお任せします、よろしく!」と快諾していただけました。「なぎちゃん!」と名前で呼んでくださり、ありがたいことに「またごはんでも食べにきてください。」とおっしゃってくれるM様。将来のために残しておいたスロープや洗面台、脱衣室拡張や奥様のお庭造りもまたご一緒できることを楽しみにしています。ぜひまたごはん食べにうかがいます♪